相続手続きのご相談で、
「亡くなった父がどこの銀行を使っていたか分からない」
「通帳やキャッシュカードが見つからない」
というご相談をいただくことがあります。
預貯金は相続財産の中でも重要な財産です。
しかし、生前に財産状況を家族へ伝えていなかった場合や、一人暮らしだった場合には、どこの金融機関に口座があるのか分からないことも少なくありません。
そのような場合に利用できる制度が、
「相続時預貯金口座照会」
です。
相続時預貯金口座照会とは、
相続人等が申込みを行うことで、亡くなった方名義の預貯金口座の有無を確認できる制度です。
預金保険機構が住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)を利用して被相続人のマイナンバーを確認し、その情報を基に対象金融機関へ照会が行われます。
通帳やキャッシュカードが見つからない場合でも、口座の存在を確認できる可能性があります。
相続時預貯金口座照会は非常に便利な制度ですが、
亡くなった方のすべての銀行口座が判明する制度ではありません。
対象となるのは、
被相続人のマイナンバーに紐付いた預貯金口座
です。
そのため、
については、照会結果に表示されない可能性があります。
照会結果に口座が表示されなかったとしても、
「その人に銀行口座が存在しない」
という意味ではありません。
そのため、
などの確認も重要です。
例えば、
という場合です。
佐賀県では、
などを利用されている方が多くいらっしゃいます。
申込みができるのは、
などです。
相続人が複数いる場合でも、
他の相続人全員の同意は不要
です。
相続人のうち1名から申込みできます。
主な必要書類は次のとおりです。
金融機関窓口で取得します。
など
など
法定相続情報一覧図があれば戸籍一式の代わりとして利用できる場合があります。
照会手数料は
1件につき5,060円(税込)
です。
照会結果として口座が見つからなかった場合でも、原則として返金されません。
申込みから結果通知まで、
おおむね1か月程度
とされています。
結果は預金保険機構から日本国内の住所へ簡易書留郵便で送付されます。
結果通知には、
が記載されます。
この制度は、
口座の存在を確認する制度
です。
したがって、
は分かりません。
また、
も対象外です。
野村證券、大和証券、SBI証券、楽天証券などの証券口座は対象外です。
どこの証券会社を利用していたか分からない場合には、
証券保管振替機構(ほふり)への開示請求
を利用できる場合があります。
借金がある可能性があり相続放棄を検討している場合でも、財産調査自体は通常必要な行為です。
ただし、
預金の払戻しや相続財産の処分を行うと、相続放棄に影響する場合があります。
相続放棄を検討している場合には、事前に専門家へ相談することをおすすめします。
相続時預貯金口座照会は、
「どこの銀行に口座があるか分からない」
という場合に利用できる制度です。
ただし、
という限界もあります。
当事務所では、預貯金の相続手続きだけでなく、相続登記や有価証券を含めた相続手続きについてもご相談を承っております。